空家の家財道具

0.はじめに

空家として放置される理由の一つに「家に荷物(思い出)が残っているから」があります。

また、遺品の整理・処分する場合や家財等の移動など、労力や手間のことを考えると億劫になることがあります。

何年も手付かずで相続当時の状態である空家所有者の方は多いのではないでしょうか。

「家財道具」「遺品等」の処分について下記ご紹介いたします。

1.家財道具や遺品整理を自ら行う場合

家財道具や遺品は、基本的には家庭ごみとなります。各市町村のゴミ収集での処分は可能ですが、家電やその他リサイクル法などで指定されている物は、その内容に基づく処分が必要です。

また、大型ごみは、個別対応の上、有料にて処分行うケースが多く、処分費用は安く済みますが、一回の処分に対する数量の制限があるなど、纏めて処分ができないこともあります。

ご自身で整理・処分を行うことの最大のメリットは、費用が安価に済むことです。

しかし、分別やリサイクル法などに伴う各種手続き、大型ごみの搬出作業などの手間を考えると時間にゆとりのある方や、少量の荷物の処分を行う場合に適しています。

2.家財道具や遺品整理を業者に依頼する場合

戸建住宅内の家財道具や遺品整理などすべて、ご自身やご家族だけで整理・処分することは大変な作業です。

そこで、多くの方が「リサイクル業者」や「不用品回収業者」などに依頼し、複数の業者から処分費用などの見積もりをとり、業者に依頼することが一般的です。

3.リサイクルショップ(業者)」と「不用品回収業者」の違い

家財処分や遺品整理を専門業者に依頼する場合、どのような業者に依頼すれば良いのでしょうか。

最近では「遺品整理専門」や「不用品回収無料」など、様々な特徴を掲げた整理・処分業者が増えています。


•リサイクルショップ(業者)とは
主に、家財や小物・その他の物品の買取りを、古物商(特定の中古品の売買許認可)営業許可を取得して行っている業者になります。また、買取りと併せて処分・整理についても同時に有料で引き取ってくれる場合もあります。

•不用品回収業者とは
主に、一般廃棄物収集運搬業又は産業廃棄物収集運搬業の許可を取得しゴミの運搬・処分を行っています。また、同時に物品の買取りも行っている場合もあります。


共に両方の業務を行っているケースが多くありますが、違いは許認可の関係や主たる業務内容の違いになります。また、お互い共存のため、取引関係にもあります。

いずれにしても家財道具の処分や遺品整理を業者に依頼する場合は、特徴が異なる複数の業者に見積もりを行い、選定しましょう。
4.空家内の家財道具の移設

管理不十分な空家の場合、室内に湿気が溜り、自然素材の家具などは、経年劣化による損耗が激しくなります。

また、家財道具が置かれている空家は、不法侵入者や不法滞在者による放火・火災率が高くなります。

その為、最近では民間事業者による荷物保管用のトランクルームなどを利用して家財の保管庫をするケースも見られます。空調機能が付いたトランクルームも増え、特にマンションなどにお住まいの方々に重宝されています。

なお、民間のトランクルームの利用には、月々の費用が発生することは周知のことですが、空家を賃貸利用することで、トランクルームの利用料は十分賄えます。

家財など次世代への資産継承としてのトランクルームの利用も一つの選択肢になります。